企業動画に字幕は必要?公開前の7項目
2026/09/12
結論:企業動画には、できる限り字幕を用意することをおすすめします。ただし、音声を文字にするだけでは不十分です。話者、重要な効果音、固有名詞、表示タイミングを確認し、映像だけで伝えている情報には本文や音声による補足も用意すると、音を出せない環境や聴覚に障害のある方にも内容が伝わりやすくなります。
公開前に確認する3つのポイント
- 字幕の内容:会話だけでなく、理解に必要な話者名や音の情報も含める
- 字幕の精度:自動字幕をそのまま使わず、固有名詞・数字・タイミングを人が確認する
- 映像の補足:画面にしか出ない重要情報は、本文・代替テキスト・音声などでも伝える
企業動画に字幕を付ける目的
字幕は、聴覚に障害のある方へ音声情報を届けるための重要な手段です。また、周囲に人がいて音を出せない場面、騒音のある場所、日本語を聞き取りにくい視聴者などにとっても、内容を理解する助けになります。
W3CのWCAG 2.2では、収録済みの同期メディアについて、音声内容を伝える字幕を提供することが達成基準1.2.2として示されています。ここでいう字幕には、会話だけでなく、理解に必要な話者の識別や重要な効果音も含まれます。
| 確認対象 | 不足しやすい情報 | 対応例 |
|---|---|---|
| 話している内容 | 固有名詞、専門用語、数字 | 台本や担当者確認で校正する |
| 誰が話しているか | 画面外の発言者、複数人の会話 | 必要な箇所へ話者名を入れる |
| 音だけの情報 | 拍手、警告音、場面転換を示す音 | 理解に必要な音を字幕で示す |
| 映像だけの情報 | 図表、操作、表情、画面上の文字 | 本文や音声、別の説明で補う |
字幕を公開するまでの7つのチェック項目
1.動画の目的と視聴場所を整理する
採用サイト、展示会、YouTube、SNSでは視聴環境が異なります。音を出さずに見る可能性、画面サイズ、字幕をオン・オフできるかを最初に確認します。
2.自動字幕を出発点として使う
YouTubeは音声認識による自動字幕を提供していますが、発音、方言、背景音、複数人の発言などによって誤認識する場合があるため、公式ヘルプでも内容の確認と修正が案内されています。自動字幕は作業を始めるための素材として使い、完成原稿とは分けて考えます。
3.固有名詞・数字・専門用語を校正する
会社名、商品名、人名、金額、年月日、専門用語は誤変換の影響が大きい項目です。台本、会社案内、公式サイトなど、確認できる資料と照合します。未確認の情報を推測で補わないことも重要です。
4.話者と重要な音を補う
画面外から声が聞こえる場面や複数人が続けて話す場面は、誰の発言か分かるようにします。拍手、警告音、笑い声など、内容の理解に必要な音は短く示します。すべての環境音を文字にするのではなく、意味のある音を選びます。
5.読み切れる長さとタイミングに整える
字幕が一瞬で切り替わる、長文が画面を覆う、発言より大きく遅れると読みづらくなります。文章を意味のまとまりで分け、映像の重要部分や人物の顔に重ならない位置を選びます。
6.映像だけで伝えている情報を確認する
字幕は音声情報を補いますが、図表、操作手順、人物の動作など、映像だけにある情報は別の課題です。W3Cは収録済み動画について、映像内容を伝えるメディア代替または音声解説を示しています。企業サイトでは、動画の要点をページ本文に書く、図表を文章でも説明するなど、媒体に合う方法を選びます。
7.音あり・音なし・スマートフォンで確認する
公開前に、音を出した状態と消した状態の両方で再生します。さらにスマートフォンで、字幕の大きさ、改行、背景とのコントラスト、操作ボタンとの重なりを確認します。自動字幕を使う場合は、公開後の字幕トラックも確認します。
焼き込み字幕と字幕ファイルの違い
| 方式 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 焼き込み字幕 | 再生環境に左右されにくく、SNSでも意図した見た目を保ちやすい | 視聴者が消せない。画面を隠さない配置と文字量が必要 |
| 字幕ファイル | オン・オフでき、プラットフォームによっては検索や翻訳にも活用できる | 対応形式と文字コードを確認する。表示デザインは環境に左右される |
YouTubeはSRTなど複数の字幕ファイル形式に対応しています。SRTは基本的な形式が対象で、UTF-8のプレーンテキストが案内されています。納品先や配信先が決まっている場合は、先に対応形式を確認します。
よくある質問
Q.自動字幕だけで公開してもよいですか?
A.自動字幕は便利ですが、誤認識が残る可能性があります。特に会社名、氏名、数字、専門用語、発言の区切りは、人が確認してから公開することをおすすめします。
Q.すべての動画に音声解説が必要ですか?
A.動画の内容によります。重要な映像情報が既存のナレーションや会話ですでに説明されている場合は、追加説明が不要なこともあります。画面だけに重要情報が残っていないかを確認してください。
Q.字幕は画面へ焼き込むべきですか?
A.配信先と目的で選びます。SNSで常に見せたい場合は焼き込み、WebサイトやYouTubeで利用者が切り替えられるようにしたい場合は字幕ファイルが向いています。必要に応じて両方を用意します。
Q.日本語字幕があれば十分ですか?
A.想定する視聴者によります。外国語話者へ届ける場合は翻訳字幕も検討します。ただし、機械翻訳だけで固有名詞や事業内容を確定せず、公開前に確認します。
Q.採用動画では何を優先して確認しますか?
A.社員名・職種・部署名、募集条件に関わる数字、専門用語、インタビューの意味が変わる誤変換を優先します。応募者が誤解しない表現か、採用担当者にも確認してもらいます。
Chain-Moviesが支援できること
Chain-Movies株式会社は、企業PR映像、採用用プロモーション動画、周年記念映像、ショートドラマの企画・撮影・編集に加え、字幕制作、動画のWeb掲載、SNS展開まで支援します。動画の目的と視聴環境を整理し、字幕の見やすさ、内容の正確さ、ページ本文とのつながりまで一緒に設計します。
名古屋市を拠点に全国対応が可能です。遠方の場合は交通費をご相談します。
字幕まで含めた企業動画を相談しませんか
初回相談は無料です。公開先、視聴者、既存素材、必要な字幕形式を伺い、企画・撮影・編集・字幕の進め方を整理します。
出典
- W3C WAI「Understanding SC 1.2.2: Captions (Prerecorded)」
- W3C「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2」
- YouTubeヘルプ「自動字幕起こしを使用する」
- YouTubeヘルプ「対応している字幕ファイル」
- デジタル庁「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」
確認日:2026年9月12日
本記事は一般的な動画制作・ウェブアクセシビリティの情報です。適用される基準や配信プラットフォームの仕様は、公開先・組織・時期によって異なる場合があります。実際の公開時は最新の公式情報をご確認ください。


